「チコちゃん」マナー講師の炎上で透けたNHKの劣化…安易な企画と演出はもう通用しない

公開日: 更新日:

チコちゃん」の制作陣はマナー講師による厳しい指導の末、「上品です。しっかりとレディーになられた」と女性スタッフを褒めて大団円にしたかったのだろう。民放の教養バラエティー番組などでもありがちな絵面だが、NHKは厳しいキャラで知られる平林氏に出演オファーすれば、テレビ的にわかりやすい演出になると判断したようだ。

 しかし、演出側にしっかりとした意図と緻密な計算があれば、同じ平林氏の出演でもこうはならなかったはずだ。

「少し例が古くなりますが、2013年11日放送のフジテレビ系『全力教室』のケースと比較すると分かりやすいかもしれません。美容家でタレントのIKKOさんが"汚部屋"で暮らす女性たちに『内面から美しくなること』をテーマに授業を展開でした。IKKOさんが1人の女性の“ある発言”にスタジオの空気が一変するほど激怒し、ウィッグを取って怒鳴る場面がありましたが、問題にはなりませんでした。そこにきちんとした美学だったり、激怒するに至る必然性があれば視聴者も自然に受け入れられるのです。ところが、今回の『チコちゃん』における平林さんの指導は、女性スタッフの一挙手一投足の揚げ足をとっているかのような運びでした。演出に問題があったのか企画が悪かったのか……いずれにせよ失敗だったと言わざるを得ません」(バラエティー系制作会社スタッフ)

 NHKは教養バラエティーに強いイメージがあるが、「ガッテン!」や「バラエティー生活笑百貨」など、長年の固定ファンがついている長寿番組が次々と打ち切りになった。職員のモチベーション低下が番組制作の劣化につながっている面もあるのかもしれない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり