安倍氏国葬をどう放送するのか、CMは? 世論の反対強くテレビ各局が苦悩
多くの人が安倍晋三元首相の国葬儀に納得していないのは、憲法上の疑義はもちろんだが、あのような横死でなければ、国葬など誰も言い出さない“モリカケ桜のぬるい首相”だったのに……という違和感だろう。警護に手抜かりがあったというが、警察だけでなく、政治テロの標的になるような“大物”とは、日本中が思っていなかったのだ。実際、テロではなく、旧統一教会被害者の“私怨”だった。
そんな国葬儀だから、テレビ各局は9.27をどんなスタンスで放送するか頭を悩ませている。民放の編成担当役員はこう話す。
「通常の午後の情報番組の中で放送できるんですが、一応は国葬なので特別編成にします。ウチの社長にも案内状が来てますしね。でも、世論の半分以上が反対ですから、追悼のコメントや演出が過剰にならないよう指示しました。中継映像にアナが解説を付けて淡々と流す内容になるでしょう。それにしても、壮麗で親しみのあったエリザベス女王の国葬と比べて、かなり見劣りするでしょうなあ」
昼過ぎに東京・渋谷の自宅を遺骨と遺影が出て、柩車と遺族車は青山通りを会場の武道館へ向かい、到着したところで自衛隊儀仗隊による19発の弔砲、2時から岸田首相らの弔辞、参列者献花という段取りである。国葬儀そのものは1時間半で、3時間だった吉田茂元首相のときより短い。国民の反発が強いので、地味めにしたのだ。