「伊藤忠 商人の心得」野地秩嘉著
「伊藤忠 商人の心得」野地秩嘉著
かつて業界で万年4位に甘んじていた伊藤忠だが、現在は時価総額で首位に立つ(本年2月時点)。著者は、その功労者である岡藤正広現会長をはじめ、多くの関係者を取材。その誰もが、商人と受け止められることに誇りを持ち、商人の言葉を信じて仕事に励んできたことに気づいたという。
伊藤忠に長年受け継がれてきた言葉を紹介しながら、その「商人道」を解説したビジネス参考書。
岡藤氏の一生を決めたのは、入社後に初めて営業に出るとき、当時の本部長から贈られた「商人は水や」という言葉だったという。器の形に合う水のように、お客さんに合わせなければならないという意味だ。
ほかにも、「三方よし」「客から説教されたら『しめた』と思え」など、最強企業のDNAにビジネスの心得を学ぶ。 (新潮社 946円)