「熱あたり」を防ぐ…体を暑さに慣らすために今からやるべき2つの方法
熱あたり──。最近テレビやラジオで耳にした人もいるのではないか。空調機メーカー「ダイキン工業」が「熱」と人体に関連する幅広い分野の有識者のアドバイスのもと提唱している考え方で、文字通り、熱(暑さ)にあたって生じる不調を指す。同社が行った20歳以上1万4100人対象の調査では、2024年の夏になんらかの熱あたりを経験した可能性がある人は64.6%、実に3人に2人という結果だった。この調査を監修した済生会横浜市東部病院患者支援センター長の谷口英喜医師に話を聞いた。
血液や臓器の体温である深部体温は、通常37度程度を保っている(わきの下やおでこの体温は表面体温で、深部体温より約1度低い)。
暑い環境下で深部体温が上昇すると、皮膚の血管が拡張したり汗をかいたりして放熱し、深部体温を37度程度まで下げる。
「ところがこの深部体温を下げる働きがうまく機能しない場合があります。すると臓器や神経が熱の影響を受けてさまざまな不調が生じます。熱中症が有名ですが、それは熱あたりの不調の氷山の一角で、ほかに寝た気がしない、疲れが取れない、食欲がわかないといった不調があり、それが進むとめまい、大量の汗、頭痛、倦怠感、意識障害、けいれん発作……と症状が重くなっていきます。言い換えれば、熱あたりにならない、つまり熱をうまく逃がせるような体づくりが、熱中症を予防し、普段の健康につながるということです」