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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

"ヨゴレ"厭わず 常に前向きな「悪女」だから菜々緒の好感度は落ちない

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 そんな彼女は自分の強みを「NGがないこと」と語っている。「与えられた役を基本的にすべて受け入れるのが大切だと思っていて。『こういう役でこういうことをしてほしい』って言われたことで、抵抗のあることは今までなかった」(光文社「CLASSY.web版」21年11月19日)と。

 モデルを志すも、決して最初から順風満帆ではなかった彼女。テレビに活動の場を移して間もなくの2010年、準レギュラーに起用された「くだまき八兵衛」(テレビ東京系)では初回の出演時間はわずか9秒で、顔もテロップなどでほとんど見えないまま、一言しゃべるだけという出番からのスタートだった。

 番組で任されたのは、ひわいなセリフを連発する「妄想居酒屋」というコーナー。さらにはマジックミラー号に水着姿で乗り込んだ。

“ヨゴレ仕事”と言っても過言ではない。けれど、それが大きな転機となった。それまで決まったセリフを言うことしか許されなかったが、自由に名倉潤や河本準一との掛け合いができるようになった。実力が認められ、番組100回目でMCに昇格したのだ。

 そんな経験をしている菜々緒だから、俳優として悪女を演じることに抵抗なんてあるはずもない。“ヨゴレ仕事”もいとわず、常に前向きに取り組む姿勢があるからこそ、悪女を演じても好感度が落ちない。それどころか、上がってしまう稀有な俳優になり得たに違いない。

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