毒蝮三太夫さん 87歳でも元気な秘訣「流れのままに生きていたい。若い人の見本にならなきゃ」
毒蝮三太夫さん(俳優・87歳)
87歳にしてますます元気な毒蝮三太夫さんは「70歳からの人生相談」を刊行。死ぬまでにやりたいことは「とくになし!」と言いながらも実はたくさんあった。元気でいる秘訣も語ってくれた。
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俺は流れで生きているから、死ぬまでにこれをやりたい、やっておかなきゃってことはないんだよ。そういう目標に縛られるのも嫌な性格だからね。流れのままに生きていたいんだ。
山岡荘八っていう昔の小説家が書いた「徳川家康」の全巻を30年くらい前に買ったけど、いまだに本棚に置いてあるまんま(笑)。買った時は「定年したら読もうかな」と思ってたけど、1ページも読んでない。全巻だと横幅1メートルはあるかな。重たいんだよ。上から落ちてきたら死ぬよ。家康は大河ドラマでやってるから今読もうか迷ってる。「どうするマムシ」だね(笑)。これを読むのが死ぬまでにやりたいことくらいだよ。でも、絶対に読まないだろうね(笑)。
「70歳からの人生相談」には高齢者だけでなくて、介護している中年や介護福祉士からの悩み相談も載ってるんだよ。今は少子化と、待遇が悪いので介護職をやる若者が減ってるから、海外の人に介護職を頼んだりしてるでしょ。介護職を増やすために、介護したくなるような年寄りにならないと、これから年寄りになる人は大変だよ。
今、働く世代がどんどん減って年寄りが増えてバランス悪いでしょ。少子化をどうにかするために子供をつくって育てやすい環境をつくるのが大事。そのためにも俺たち年寄りが若い人から「ああいう年寄りになりたいな」って見本にならなきゃダメ。今は見本になれる年寄りが少ないのかね。見本がいなくてイヤなジジイ、ババアばかりだったら、若者は「年寄りになりたくない」と思っちゃうもん。
「結婚して子供を育てて、いいおじいちゃんになりたいな」と憧れられるおじいちゃん、おばあちゃんがたくさんいないとね。それが年寄りの介護をやる人が増える理由でもあると思うんだ。
今の70代の人は大変だと思うよ。親に気を使い、お金も使い、子供や孫にも気を使い、お金も使って、自分のために時間とお金を使えないんじゃないの? ストレスや悩みが多いと思うよ。日本は平和だって言うけど、心の中は満たされてないよね。