三浦英之著「太陽の子」、この書き手は愚直なまでに「ペンは剣よりも強し」を信じている
著者は自分が職業記者として、そしてひとりの日本人として大切にしているのは、伊藤言うところの〈叫び声の小さい人々〉の声を拾い集めることだと明言する。がしかし。コンゴの日本人残留児の問題は「かつて日本の外務省や大使館がそう判断したように」「新聞ではいささか取り上げにくいテーマ」とされ、原稿は編集会議を通らずに掲載が見送られる。著者は悩んだ末に「個人の領域で可視化するしかない」と判断、一連の取材内容を36回に分けてツイートしたのだった。