表紙にジャニーズを使い続けた「週刊朝日」の休刊は悲劇か、喜劇か?
週刊朝日(以下、週朝)が逝った。享年101。天寿を全うしたのではない。親会社の朝日新聞は「週朝」より部数も影響力も少ない「AERA」を残し、週朝の延命装置を無情にも引きちぎってしまったのだ。
最終号(5月30日発売)には編集部や常連執筆者たちの悔しさがあふれているような気がした。東海林さだおは連載が終わることを「悔み事」だとし、締め切りのなくなる次の火曜日の“物寂しい”朝飯の献立を考える。納豆をドロドロにした味噌汁、目刺し、ナスの古漬け。
常連ではないが吉永小百合は「発言の場がなくなっていく寂しさを感じます。トップが悪いんじゃないですか」。
落合恵子は「週刊朝日の(かつての)発行元・朝日新聞がジャーナリズムの先端に立つ気骨や気概が希薄になってはいないか。(中略)忖度が多すぎて、書くべき時に書かなくなってはいないか」。
林真理子は阿川佐和子の対談では和気あいあいだが、文春の自身の連載の中では、ジャニーズのタレントを表紙に使い続ける週朝やAERAを、「雑誌がジリ貧になってから、ジャニーズ一辺倒になった。(中略)延命のためにこういうことをしているうちに、ジャーナリズムとしての何かがすり減ってしまった」と批判している。男性のコメントは感傷的だが、女性のほうは情に流されず休刊問題の本質をついている。