市川猿之助被告“執行猶予明け”に向け松竹が練る復帰シナリオ…歌舞伎界は観客減で大ピンチ
パワハラ疑惑再燃に向けた「プランB」も
それで、また歌舞伎の世界に戻れるとの算段をつけたのだろうか。勧進元の松竹も、迫本淳一会長が「被告人に寄り添い、共に明日に向かって進んでいけるようにする」と表明したが、演劇担当記者はこう言っている。
「年間興行収入が80億から100億円とされる歌舞伎で、猿之助は集客力がある稼ぎ頭にして宝です。事件以降、澤瀉屋は中車(香川照之)が中心となって興行を支えていますが、初日、千秋楽は入っても、会場の4割も埋まらない日も少なくなかったりしている。中車は現代劇では天才役者ではありますが、歌舞伎の経験は浅く、やはり猿之助には遠く及ばない。それで松竹はますます猿之助の担ぎ出しに動き、裏方からでもまた歌舞伎に関わって欲しいという思いが強い。迫本さんは弁護士出身のやり手経営者です。身元保証人など含めて手厚いケアを約束しているでしょう」
とはいえ、そんな業界事情は世間からは理解されるはずがない。両親とはいえ、2人が死亡した事件で初公判の場で復帰を口にした猿之助被告には「厚顔無恥」とまでSNSに書き込まれた。また事件の発端とされた女性誌の報道では、同性への性加害やパワハラ疑惑も取り沙汰された。こちらの疑惑は再燃の可能性だってある。
■性加害は未成年もターゲットにしていた? の声
「性加害はジャニー喜多川氏と同様、未成年者もターゲットにしていたのではないかとの説も聞こえていました。今後それらが報じられたら、強制性交罪に問われかねない事案ではないか」(週刊誌記者)
猿之助被告は復帰したとしても、なまなましい疑惑つきで、「二度と見たくない」というファンも出てくる可能性がある。
「『プランB』ではありませんけど、ゆくゆくは中車の長男で、2代目猿翁の孫にあたる市川団子に猿之助を継がせるというシナリオがあるようです。もともと団子とは、猿之助の子ども時代の名前なんですね。その親である中車は澤瀉屋の二枚看板のひとつ、段四郎の名跡を継ぐという暗黙の了解があるとすれば、どうでしょうか。それまではどんなに批判されようが、現猿之助を支えていくという形で歌舞伎界が一致団結したとしても不思議じゃありませんよ」(前出の演劇記者)
■判決は11月17日
裁判は即日結審し、判決は11月17日に言い渡される。異例のスピードというしかないが、猿之助被告の復帰ありきのシナリオならば梨園の常識がまた疑われることになる。