NHKトーク番組「あたらしいテレビ」で感じた新鋭たちのたくましさ
他方、コンプライアンスが重視されるようになった影響で制約が多くなったエンタメ業界。
この件について蓮見は「今ある枠組みの中でやればいいだけなんで、狭まった感覚もない」と語り、その後こう続けた。
「テレビは視聴者をバカにしてるし、視聴者はテレビをバカにしてるから、ダサいんすよ、両方。両方マウントを取り合ってる感じ。『自分らのほうが世の中を俯瞰(ふかん)で見れてます』って両方が思い合ってるせいで、気持ち悪い状態になってますよね」
これにアンジェリーナが「ハナからものに触れないとかもそうだし、なのに上からのような言葉を投げかけて来る人がめっちゃ多い」と共感し、音楽業界でも「簡単でわかりやすいものしか刺さらなくなってない?」と感じることがあるという。
その言葉に魚豊がうなずきつつ、一方で「簡単でわかりやすい言葉っていうものの説得力もものすごく落ちてる」と言及。震災やコロナ禍を経験したこともあり、「『愛が大事』とか『絆が大事』って言葉を僕らはベタに信じられない」としながらも、再定義することで「もう一回シンプルな言葉を説得力あるように僕たち自身が使えるのかなっていうのはすごい興味があるし、やりたいことではある」と力説した。
年始から暗くなるニュースばかりだったが、彼らのたくましい姿に少しだけ力をもらえた気がした。
(鈴木旭/お笑い研究家)