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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

芸歴が埋まる稀有な存在 コントによって塚地武雅が切り開いた芸人の「王道」

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 塚地は一度就職したのちに芸人になっているため、デビューが遅い。年齢的にはナインティナインと変わらないので、オーディションに参加できなかった。だが、浅草の寄席・木馬亭でコントライブを開催した際、観客はわずか3人だったが、その中に番組ディレクターがいて、出演が決まったのだ。

 そこから選抜されて「はねトび」メンバーに。番組でのコントが俳優の仕事にもつながった。自らがパイオニアだというロバート秋山と一緒に演じた「ネットアイドル命 MUGA様とおーたむSAN」というオタクネタ。このキャラのままで出てほしい、と月9ドラマ「いつもふたりで」(フジテレビ系)に出演したのだ。

 さらに森田芳光監督の06年の映画「間宮兄弟」(配給アスミック・エース)も、「エンタの神様」(日本テレビ系)で披露したコントを見て、オファーされたという。だから「コントの延長線上ですね」(ブロードメディア「クランクイン!」21年7月22日)と塚地は振り返る。まさに、コントによって道を切り開いてきた。

 塚地は冒頭の番組で「お笑い一本で行く」ことを諦めたとも語る。お笑いと演技両方やっている劣等感があったと。だが、NHKの朝ドラ「おちょやん」でエンタツ・アチャコのアチャコをモチーフにした役を演じて気がついた。「先人もやってるやん!」と。彼もまた、演技の仕事をしていたのだ。

 そう、実は塚地は芸人の“王道”を突き進んでいる。

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