タレント見栄晴さん「嫁にステージ4のがんと言ったら我に返り涙が溢れた」
寿司を食べたら醤油の味がまったくしない
2月2日に入院し、先にお話ししました治療を行いましたが、よかったのは副作用がそんなになかったこと。僕の放射線治療の場合は、だいたいの人が口内炎だらけになり出血したり、食べるのがつらくなるらしいんですが、僕はなぜかまったく平気でした。
味覚障害も起きるといわれてましたが、1回目の退院後に、家族でお寿司を食べてみました。すると醤油の味がまったくしない。味覚障害の始まりでした。
味がないと食欲は簡単に失うんだとわかりました。でも、食べないと体力が落ちるから頑張って食べて。
ただ、なぜか甘みだけは残っていたので、甘いものを食べるのだけが楽しみでした。人によっては甘みから失う人もいるらしいから、人それぞれですね。もっとも、甘みもその後なくなりましたが。
先生から抗がん剤治療は抗がん剤を含むいろいろな点滴をしながら、たくさんの水分を飲んで頑張って1日2~3リットルのオシッコを出してくださいと言われました。
出した量を書いた紙を見た先生が「すごい! 1日で7リットルも出てる。新記録だ」と(笑)。でも、顔や足がパンパンにむくみ、5キロは太りました。むくんだ分もオシッコで出さないといけないのでその分の水も飲み、夜中もトイレに行き、寝不足になりながら頑張りました。
看護師さんからは「頑張ってますね」と言われ、褒められるとうれしかったし、やる気も出ました。
そんな治療を繰り返しながら3月末で放射線治療もすべて終わり、味覚の方は4月の中旬に「ちょっと味がするかも」と感じられ、今はストレートな甘い、辛い、しょっぱいなどは戻りました。出汁の味とか深い味はわからないけど。でも、味を感じられることに感謝です。
■番組に含んで復帰したらスタジオのライトが眩しかった
番組に復帰したのは4月20日。3カ月ぶりのスタジオはライトが眩しく「帰ってきたなあ」と実感が湧きました。25年以上通った場所ですから、退院して自宅で番組を見てる時は不思議な感覚でした。変わらず競馬予想してましたけどね(笑)。
5月にCTで転移していないと確認。今は経過観察で1カ月に1度診てもらう形に。
今では大好きなお酒もたばこもやめています。人は大病をしないとやめられないのかなと思いました。大病してもやめられないのは競馬でした(笑)。
ですが、平日は毎日治療で、土日は暇でしたから、競馬といういい楽しみを持っていたなと思います。
今の体調は治療の副作用による首のむくみで喉がはれたり、声がかれたりはしますが、心は至って元気です!
これからも先生たちとともに前向きにがんと向き合っていきたいと思います。これからも競馬番組と見栄晴をよろしくお願いいたします。
(聞き手=松野大介)
▽見栄晴(みえはる/本名・藤本正則) 1966年11月、東京都出身。82年に「欽ちゃんのどこまでやるの!」の見栄晴役で人気に。欽ちゃんファミリーとして活躍。「競馬予想TV!」(フジテレビONE)のMC担当。