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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

見栄晴さんは「下咽頭がん」治療の良好な経過を報告…化学放射線療法の魅力は機能温存

公開日: 更新日:

 タレントの見栄晴さん(57)が、ステージ4の下咽頭がん克服に向けて治療に励んでいるようです。自らのSNSによれば、入院で受けていた抗がん剤治療を終えて無事に退院すると、府中市・東郷寺のしだれ桜を見に行って、自撮り写真を公開されています。

 がん治療に携わる医師として、治療がうまくいって元気でいらっしゃるのは何よりです。今後は通院で放射線治療を受けるといいます。

 咽頭は、鼻の奥から食道に至るまでの空気や食べ物の通り道です。上から上・中・下に分かれ、見栄晴さんの下咽頭がんは、声帯がある喉頭に近いため、手術で切除すると、咽頭とともに喉頭も摘出することになり、声を失うほか、首の前側に呼吸のための穴(永久気管孔)をつくることになることがあります。食道の再建も必要です。かなり厄介で、生活の質は大きく損なわれます。

 仕事柄このデメリットはつらいでしょう。そこで、機能を温存できる抗がん剤と放射線を併用する化学放射線療法を選択されたのだと思います。

 もちろん、化学放射線療法にも、副作用があります。たとえば、抗がん剤では吐き気や脱毛、放射線では皮膚炎や粘膜炎、食道の粘膜が荒れることによる嚥下障害、味覚障害、口の乾きなどが代表的です。

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