女優・五代路子さんは芸能活動50周年、座長を務める横浜夢座は旗揚げ25年

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五大路子さん(女優)

 1977年にNHK朝の連続テレビ小説「いちばん星」の主役でテレビドラマデビューし、国民的女優として人気を博した五大路子さん。テレビドラマ「水戸黄門」やクイズ番組などで活躍した後、舞台に軸足を移し、99年には劇団「横浜夢座」を旗揚げ。今年で25周年を迎えた。五大さんは今どうしているのか。

「今度の横浜夢座の新作『富貴楼お倉』の主人公・お倉は、伊藤博文や大隈重信ら明治の元勲が訪れた、通い詰めた関内の料亭の女将なんです。演劇を通して横浜の歴史にこだわり続けてきた私の舞台生活50周年記念公演にふさわしい作品にしたいと張り切っています」

 横浜・吉野町の稽古場で会った五大さんは、こう言ってほほ笑んだ。

 これまでも、大正時代に横浜元町の地に実在した「大正活映撮影所」を舞台に、若き映画人たちの夢や熱いエネルギーを描いた「横濱行進曲」や、伝説的娼婦・白塗りのメリーさんを題材にした「横浜ローザ」など、横浜をテーマにしてきたが、なぜそこまで横浜にこだわるのか。

「私にとって、生まれ育った横浜は、大切なふるさとであり、その歴史や魅力を演劇を通して発信したいという夢が高校生の頃からあったんです。その夢がどんどん膨らんでいって実現したのが横浜夢座です。当初は、劇団経営や広報活動など全然わからないままスタートしました。私って、しっかり者に見えるかもしれませんが、漫画のサザエさんみたいにおっちょこちょいでドジなところがあるんです。見かねた友達や市民の方が1人、2人とボランティアで協力してくださって、そのおかげで今までやってこられました。演劇は収支がトントンなら成功という世界ですから、資金繰りにも苦労しましたが、私の夢を一緒になって応援してくれた方たちの支えがあってこその25年でしたね」

 さて、五大さんは港北区出身。神奈川学園では演劇部で活躍し、高3の時に聴講した野口体操で知られる野口三千三氏の「あなたの手のひら、足の裏、身体は世界でたった一つしかない……あなたしかできないことを探してご覧なさい……」という言葉に感銘を受け、女優を目指すことを決心。戦争で散々苦労した父の猛反対を押し切って難関の桐朋学園に進学した。卒業後は、「劇衆椿」「演劇集団変身」を経て鈴木忠志氏の「早稲田小劇場」に入団。

「入った翌年、鈴木さんから1年間の修業を命じられまして、新聞広告で見た『新国劇』に応募し『女は採らない』というところを入れてもらい、劇団員の付き人や代役、掃除・洗濯なんでもやりました。本名を芸名に変えたのはこの頃です。名字は宇宙を構成する5大要素『地・水・火・空・風』から。気宇壮大でしょう」

 1977年に劇団の勧めで受けたNHKの朝の連続ドラマ「いちばん星」のオーディションで次点になったが、主役が途中降板したため、急きょ後を引き継いだ。

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