女子プロレスラー神取忍さんは10月に還暦 今だから語る名言「心を折る」誕生秘話
「大学や実業団に属してないから毎日稽古できる環境がない。そこをどう補うか考えて、自分に足りないのはスタミナだとわかると、克服するメニューを考えて、とにかく走り込み。どうすれば心拍数が200まで上がるかとか。町道場の週3回の稽古じゃ足りないから大学に出稽古に行く。ただ、18~19歳の頃は自分も非常識で、終わったら掃除もせずにとっとと帰るみたいな。組織に入ってたら、即退部だね(笑)。そういう自分の性格をわかってたから、組織や実業団には属さず、自由を選んだ。自由にはリスクも伴うけど、その責任も自分で取ろうと」
21歳の時、プロレスラーに転身。元ビューティ・ペアのジャッキー佐藤(享年41)の新団体「ジャパン女子プロレス」の1期生から“四天王”に。ジャッキーとの壮絶マッチから「心を折る」という名言が生まれた。
「当時のジャパン女子では顔を傷つけないのが前提だったんだけど、顔面攻撃OKのなんでもありの試合をやったんだよね。そういうルールであることはお互いが納得してたんだけど、衝撃的だったみたい。柔道は『心・技・体』が揃って一本になるっていう考え方だから、『完膚なきまでに叩きのめす』とかっていう言葉とともに『心を折る』っていう表現をした。ノンフィクションライターの井田真木子さん(享年44)のインタビューで引き出してもらった言葉なんです。彼女が深掘りしてくれたおかげ、感謝しかないよね」