著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

後輩芸人の心に響く 小藪千豊の言葉に潜む「そうか」と気づける謙虚さ

公開日: 更新日:

 そんな小籔を慕う芸人は少なくない。オードリーの若林も、そのひとり。「この人生、なんだこれ? と思って。誰みたいになりたいかなって考えたら、小籔さんと梅沢富美男さんみたいになりたいなって思った」(テレビ東京系「あちこちオードリー」21年9月29日)と語り、度々悩みを相談しているそう。

 平成ノブシコブシ・徳井も小籔を恩人だと称す。「いつ死んでもいい」と思い、挨拶、感謝、マナー、何も学ばずに生きていた35歳の頃、小籔に出会い、「あかんでって言ってくれて。それも1回や2回じゃなくて、俺みたいなガキをいいご飯屋さんに連れて行ってくれて」「2年くらいかけて、ずっと教えてくれた」(テレビ東京系「日本怪奇ルポルタージュ」24年5月2日)と。

 当の小籔本人は「人になんか言われて、人格変わる瞬間って(ない)。なんぼ言っても基本的に変わらない。言われてたことが『そうか』って自分で気づいた時に変わる」(テレビ東京系「あちこちオードリー」24年2月8日)と言う。自身も30歳になって初めて、「そうか」と仏教の魅力に気づいた経験があるからだろう。それまで根気強く「そうか」と気づくきっかけをつくろうとしていたに違いない。

「誰もおらんとこでも謙虚になれる」か、つまり「人に対してじゃなく、自分の能力に対して本気で謙虚に向き合えてるか」が大事だと小籔は語る(リクルート「新R25」19年7月30日)。その謙虚さがあるからこそ、小籔の言葉は芸人たちにも響くのだろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ