後輩芸人の心に響く 小藪千豊の言葉に潜む「そうか」と気づける謙虚さ
そんな小籔を慕う芸人は少なくない。オードリーの若林も、そのひとり。「この人生、なんだこれ? と思って。誰みたいになりたいかなって考えたら、小籔さんと梅沢富美男さんみたいになりたいなって思った」(テレビ東京系「あちこちオードリー」21年9月29日)と語り、度々悩みを相談しているそう。
平成ノブシコブシ・徳井も小籔を恩人だと称す。「いつ死んでもいい」と思い、挨拶、感謝、マナー、何も学ばずに生きていた35歳の頃、小籔に出会い、「あかんでって言ってくれて。それも1回や2回じゃなくて、俺みたいなガキをいいご飯屋さんに連れて行ってくれて」「2年くらいかけて、ずっと教えてくれた」(テレビ東京系「日本怪奇ルポルタージュ」24年5月2日)と。
当の小籔本人は「人になんか言われて、人格変わる瞬間って(ない)。なんぼ言っても基本的に変わらない。言われてたことが『そうか』って自分で気づいた時に変わる」(テレビ東京系「あちこちオードリー」24年2月8日)と言う。自身も30歳になって初めて、「そうか」と仏教の魅力に気づいた経験があるからだろう。それまで根気強く「そうか」と気づくきっかけをつくろうとしていたに違いない。
「誰もおらんとこでも謙虚になれる」か、つまり「人に対してじゃなく、自分の能力に対して本気で謙虚に向き合えてるか」が大事だと小籔は語る(リクルート「新R25」19年7月30日)。その謙虚さがあるからこそ、小籔の言葉は芸人たちにも響くのだろう。