“多芸はすげぇ”今に導いた 声優・木村昴「ジャイアンの呪縛」
一方で、その“呪縛”にも苦しめられるようになる。小学校の頃からラップミュージックが好きだったが、ジャイアンのイメージを損なうのではないかと公言はできず、ライブハウスに聞きに行くのもコソコソしていたという。声優業以前に出会ったミュージカル俳優の道や、タレント業も半ば諦め、声優業に打ち込んだ。
そうして声優業に邁進していった結果、男性声優たちによるラップバトル・プロジェクト「ヒプノシスマイク」のオファーが来たのだ。「自分のやりたい両方を仕事としてできる。こんな巧い話があっていいのか」(同前)と耳を疑った。一度は諦めたミュージカルや、タレントの仕事も舞い込むようになった。
「昔から“多芸は無芸”という言葉がありますが、僕は“多芸はすげぇ”と考えるようにしています」(テレビ東京「テレ東プラス」23年9月13日)と、チャンスがあれば何でもトライしてみたいという。それは「声優というひとつの道に一生懸命に打ち込んだ結果」得られたもので、そのチャレンジは「すべては声優業に生きるはず」だと(マイナビ「マイナビニュース」21年10月19日)。
木村昴の信条は「真面目は最強」(同前)。彼はそれを体現している。