令和版「忠臣蔵」新旧豪華共演のドライブ感 12年ぶり歌舞伎座で通し上演

公開日: 更新日:

 しかし全体を通せば、仁左衛門の大星由良之助を堪能する月だ。四段目・七段目とも、本心をなかなか明かさない役だが、伏線をきちんと提示するので、分かりやすい。その緩急自在さにはドライブ感があり、舞台上の若い武士たちだけでなく、観客までも振り回されるが、それが心地よい。

 この仁左衛門とダブルキャストとなったのが松緑と愛之助。なかでも不利な闘いを強いられたのが四段目の由良之助を演じる松緑だが、仁左衛門に敵うわけがないとの開き直りがいいほうに向かったのか、たしかに敵うわけはないのだが、それはそれで立派な由良之助になっていた。

 どういう事情があるのかは知らないが、今回は大星役者になるべき團十郎と幸四郎が加わっていない。ところが、その喪失感を抱かせなかった。團十郎と幸四郎は奮起しなければならない。

 その團十郎は、3月はシアター・ミラノ座で新作「SEIMEI」に出ていた。安倍晴明を主人公にしたものだが、何を見せたいのか分からない凡作。團十郎はインタビューで、「役者泣かせの脚本」「今回は、いち役者として向き合いたいと考えています」と語っていた。演出には関わらないと宣言したのは、芝居の出来に責任を持てないという意味だろう。團十郎が脚本の悪さを認識していたようなのが、救いである。 

(作家・中川右介)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  3. 3

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  4. 4

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  5. 5

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  1. 6

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場

  2. 7

    フジテレビ「中居正広氏に巨額賠償請求」あるか? 「守秘義務解除拒否」でウソ露呈

  3. 8

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

  4. 9

    Kōki,『女神降臨』大苦戦も“演技”は好評! 静香ママの戦略ミスは「女優でデビューさせなかった」こと

  5. 10

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ