ニューミュージックとは「戦後生まれ世代による自作自演音楽」のムーブメントだ
そんなGSブームと切り替わるように、70年代前半に爆発したフォークソングブームは、戦後生まれの自作自演音楽によって引き起こされた。
吉田拓郎=46年生まれ。井上陽水=48年生まれ。他にも、岡林信康=46年、加藤和彦=47年、谷村新司=48年、南こうせつ=49年……。
となると、54年生まれの荒井(松任谷)由実が、めちゃめちゃ新世代だったことが分かるのだが、それはまた追って。
そんな戦後世代、団塊世代、「戦争を知らない子供たち世代」が、戦後民主主義の追い風も受けながら、せきを切ったように、ラジオから流れてきたビートルズやボブ・ディランなどの洋楽の影響も受けながら、職業作家には決して作れないような、自由な言葉、奔放なメロディーで歌い出した!
さらに、そんな音楽を聴いた若者が、いいなぁと感化されて「僕も」「私も」と、みんな歌い出した──。
そう、「ニューミュージック」の「ニュー」とは、以上のようなムーブメントの全体の新しさだと、理解していただければ、おおむね間違いはない。