今度は福田和子役 寺島しのぶ“実録ドラマ女王”までの軌跡

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 アイドル上がりや単なる美人女優では荷が重くて到底感情移入できないが、その点、寺島は故・若松孝二監督など名匠に鍛えられ国内外の映画賞を受賞している演技派だ。

 それにしてもなぜ、実録ドラマに多く起用されるのか。コラムニストの桧山珠美氏は「何はともあれ、あの顔。一般家庭とはかけ離れた梨園の世界に生まれたにもかかわらず、現実的で生活感を醸し出す容姿に理由がある」と、こう続ける。

「女優を志すと同時に文学座に入団し、きちんと芝居の素地を学んでいるのも大きい。本人が思い描いてきた理想の女優像、ポジションを切り開いているのを感じます。そして実録ドラマに欠かせないもう一人の女優、大竹しのぶと同じにおいが画面から伝わってくる。大竹も02年にフジのドラマで福田和子を演じていますが、『黒い看護婦』では同じ犯人役で寺島と共演し、心の闇をあぶり出していた。“ダブルしのぶ”は美女という形容詞しかない女優とは一線を画す独自の立場を築いたといえるでしょう」

 02年の大竹版福田和子は20%超の高視聴率をマーク。ビジュアルは寺島が圧倒的なだけに大竹超えにも期待がかかる。

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