野田氏が語る「本当は巨乳って言葉はきらいだったんだ」
ダイヤモンド映像は短大生のおかげで息を吹き返した。
この時期、私はスランプ気味で、物書き稼業をやりながら以前取材で知り合った村西とおるのもとでプロデュースを手伝っていた。
1989年、日本中がバブルに浮かれていた時代、パーティーが夜ごと開かれ、私は撮影関係者のパーティーで松坂季実子と顔を出した。
中国古典研究の泰斗、70代のお堅い学者が臨席していた。賑やかな宴席がお好みでないのか、ぶぜんとした表情だ。そこにマリアナ海溝のように深い胸の谷間が見えるドレス姿の松坂季実子が挨拶をしにきた。白い谷間が迫力をもって迫ってくる。人生においてこれほど大きな乳房を目撃したことがなかったであろう中国古典研究の泰斗は、固まってしまった。息づく胸の谷間。うっすらと汗をかく20歳の白い山脈。青い静脈。中国古典研究の泰斗が思わず口走った。
「参ったなあ」
視線だけはずっと白い谷間にへばりついていた。
自分にないものについ視線がいってしまうのは男の本能なのだろう。