ドン・ファンの墓に「早貴」と刻まれ…命日に遺族が嫌悪
■遺産を勝手に動かしていた田辺市
遺族が気になることがもうひとつある。それはドン・ファンが残したとされる遺言を巡ってのことだ。遺言書は死後の18年9月に田辺家裁に提出されて検認の手続きが取られた。そこには「遺産は田辺市にキフする」という文言が書かれていて、田辺市は19年秋に遺産を受け取ることを表明した。
しかし、この半年後に遺族は、あまりにも不自然な点が多いとして「遺言無効訴訟」を和歌山地裁に起こして審議は進んでいる。
ところが、である。ここにきて田辺市が遺産を勝手に動かしていたことが判明した。早貴被告が田辺から東京に乗ってきたドン・ファン所有のベンツの売却に、田辺市がGOサインを出したというのである。
それは昨年8月末のことだった。当時は遺言無効訴訟で田辺市と遺族側が対峙していたにもかかわらず、田辺市は遺族側へ何の連絡もしないで売却を認めたのである。遺産問題に詳しい大阪市の弁護士は、こう苦言を呈す。
「田辺市のやった行為は常識としてあり得ません。誰が決定したのかは分かりませんが、相手方がある案件ですから当然情報は開示するものです」