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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

榊英雄監督と木下ほうかの性強要問題を告発した女性の勇気 裏取引のような時代は終わった

公開日: 更新日:

 “映画監督の榊英雄に性行為を強要された”と4人の女性が「文春」に告白。榊監督(51)の盟友で俳優の木下ほうか(58)も2人の女性から告発された。

 監督・俳優の肩書を武器に「映画に出たい」と願う女性の弱みに付け込み、無理やり性的なことを要求していた。いずれも匿名だが、社会的に問題になっている、SNSにあらぬ噂や誹謗中傷を書き込む匿名の人とは意味合いが違う。仮に監督らが「事実無根」と言ってきた場合の覚悟(訴えられたら受けて立つ)があると思うからだ。

 監督はおおむね事実と認め、木下は28日ツイッターで謝罪、事務所からも解雇された。映画関係者は「非道な行為は別にして、監督ならキャスティング権もあるでしょうが、木下クラスの俳優が映画に出すだけの力はないはず。よく平気でそんな偉そうなことを言える」と怒りを隠さない。

 芸能人に対するさまざまな告発は昔からあったが、記事にするまでにはいくつかの難関があった。まず話が事実か否かの判断。「怪しい」「話が不確か」であれば見送る。

 内容にもよるが、間違いなしと判断したものを記事にするのだが、さらに難関。いざとなると、「やっぱり不安」と告発を躊躇する人も少なくない。原稿が出来上がった段階で「記事にするのはやめてください」と気が変わる人もいる。話すのと活字になるのとでは差があるのだ。告白は勇気を必要とする。

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