外国では単剤投与が一般的だが…統合失調症の薬なぜ多い?

公開日: 更新日:

■患者が薬について十分理解することも重要

 統合失調症に限らず、精神科の薬はすぐに薬を減らすのは危険だ。

「これまでの薬に別の薬をプラスし、症状が安定すれば前の薬を減らす。一時、多剤大量になりますが、これが一般的な減薬方法です。重要なのは、なぜ薬を減らせ、なぜこの薬を飲まなくてはならないのかを、患者さんに十分に理解してもらうこと。それなしに薬の出し方を変えれば、患者さんの不安や不信が強くなり、薬を飲めなくなったり症状が悪化したりすることも。誤った服用方法にもなりかねません」

「ひだクリニック」では、「統合失調症の治療の目的は社会復帰」ということを、患者やその家族と折に触れ確認する。社会復帰を実現させるために、薬の種類や量を減らす。しかし、必要な薬は飲む。適切な薬をきちんと飲み、症状をコントロールできるようになれば、どのような生活が可能になるか――。時にイラストなどを使いながら話し合うという。

「抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、抗パーキンソン病薬を患者さんによって使用量を変える。経口薬では薬の血中濃度が不安定で副作用が出やすいので、2~4週間に1回の注射で症状をコントロールできる特効性注射剤も用います。副作用が少なく、症状が安定しやすいので、経口薬がいらなくなる人もいます」

 リハビリも行う。院内のデイケアで同病の仲間と精神的な交流を図る。社会復帰に向けての就労訓練を受ける。一人暮らしを始める人も多い。

「減薬だけを目標にすれば困難。社会復帰を目指すことで、結果的に薬が減るということが大事なのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 8

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  4. 9

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  5. 10

    常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853