力業の前屈はNG トレーナーが勧める「無理のないストレッチ」
準備体操に柔軟。ところが、無理やり前屈しても曲がらない。それで上からギュウギュウ押されたりして何とか柔らかくしようとするのだが……。
野球やラグビーの選手から、タカラジェンヌまで幅広いジャンルの人たちのパーソナルトレーナーを務める南湖舞紀氏はこう言う。
「体が【前屈=痛い】という記憶をつくり、拒否反応を起こしてしまう。自主的に体がブレーキをかけ、余計に曲がらなくなるのです」
そもそも、筋肉は骨関節の運動を滑らかに、バネのある動きにするために存在する。筋肉を伸ばして股関節が柔軟になれば、階段でつまずいたときなども、とっさの一歩が踏み出せる。ケガは最小限に抑えられるのだ。
「前屈の目的は太ももの裏と臀部を伸ばすこと。日常生活レベルでは膝をそこまで伸ばしてストレッチする必要はないんです。スポーツ選手でなければ、『イスに座って太ももを抱える姿勢』で伸ばせば十分です。まずは必要なところだけが伸びている感覚を得られれば十分。すると、伸びるのが気持ちよくなって、関節の可動域が広がってきます」
昔、スポ根で鍛えた人こそ注意したい。