21世紀に入り死者数は33%増 がんによる死亡率も24%増
死因2位は「心疾患」(心筋梗塞・心不全など)、3位が「肺炎」、4位が「脳血管疾患」(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血など)の順です。脳血管疾患は2010年まで3位でしたが、2011年に肺炎と入れ替わりました。しかし、いずれも死亡率は微増か横ばいにとどまっています。
5位の「老衰」は、がん死以上の増加率を示しています。2001年の死亡率はわずか17.6でしたが、2015年には67.7と4倍近く増えたのです。老衰こそが、多死社会をもっとも特徴づける死因といえそうです。しかし、言葉通り老いて衰弱するため、足腰が立たなくなり、介助なしでは食事もトイレもままならないなど、決して“きれい”で楽な死に方ではないことも十分承知しておくべきです。
6位の「不慮の事故」の内訳は、食物の誤嚥などによる窒息死(不慮の事故全体の25%)、転倒・転落(同21%)、風呂などでの溺死(同20%)、交通事故(同15%)となっています。
「自殺」は1977年から1995年まで死因7位、しかし、1996年から6位に上がったことから、大きな社会問題になりました。その後もずっと6位に居座り続けましたが、2009年に7位に下がり、さらに2014年からは8位に落ちました。多死社会においては、むしろマイナーな死因になりつつあります。