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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

21世紀に入り死者数は33%増 がんによる死亡率も24%増

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 死因2位は「心疾患」(心筋梗塞・心不全など)、3位が「肺炎」、4位が「脳血管疾患」(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血など)の順です。脳血管疾患は2010年まで3位でしたが、2011年に肺炎と入れ替わりました。しかし、いずれも死亡率は微増か横ばいにとどまっています。

 5位の「老衰」は、がん死以上の増加率を示しています。2001年の死亡率はわずか17.6でしたが、2015年には67.7と4倍近く増えたのです。老衰こそが、多死社会をもっとも特徴づける死因といえそうです。しかし、言葉通り老いて衰弱するため、足腰が立たなくなり、介助なしでは食事もトイレもままならないなど、決して“きれい”で楽な死に方ではないことも十分承知しておくべきです。

 6位の「不慮の事故」の内訳は、食物の誤嚥などによる窒息死(不慮の事故全体の25%)、転倒・転落(同21%)、風呂などでの溺死(同20%)、交通事故(同15%)となっています。

「自殺」は1977年から1995年まで死因7位、しかし、1996年から6位に上がったことから、大きな社会問題になりました。その後もずっと6位に居座り続けましたが、2009年に7位に下がり、さらに2014年からは8位に落ちました。多死社会においては、むしろマイナーな死因になりつつあります。

【連載】「多死社会」時代に死を学ぶ

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