がん抑制やストレス解消効果も 森林浴はなぜ体に良いのか
森林浴は気持ちがいいけれど、医学的な効果は? 国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人先生に聞きました。
「森林浴というと医学的な感じがしませんが、ドイツでは『クナイプ療法』と呼ばれていて、健康に良いのは常識です。国内の実験により、がん抑制につながることもわかっています」
その実験とは、都内で働くサラリーマンを対象に、2泊3日の森林滞在を行ったもの。がん細胞を攻撃してくれるNK(ナチュラルキラー)細胞が、男女とも約56%増加し、しかも1カ月後も約23%増をキープしていたのです。
さらに、がんを抑制するタンパク質なども増加していたとのこと。
「ほかにも、森の香りフィトンチッドが副交感神経を優位にし、水辺に発生するマイナスイオンが脳内をα波状態にしてくれます。どちらも、精神を安定させる効果が高く、ストレス解消になります」
さらに、木々の緑色を見ても、小川のせせらぎや小鳥のさえずり、風の音といった自然音を聞いても、大きなリラックス効果を得られるといいます。森林では、五感で受け取るすべてが体に良いというわけです。