ノロウイルスは心臓にも大きな負担をかける
これから本格的に「インフルエンザ」や「ノロウイルス」といったウイルス性疾患の季節が続きます。これらの感染症は若い世代がかかってもあまり重症化するケースは少なく死亡率も低いのですが、70歳以上の高齢者では死亡率がアップします。
疑わしい症状が表れても、「自分は若いから大丈夫」などと軽く考えていると、高齢者にうつして深刻な事態を引き起こしかねません。ちょっとおかしいかもしれない……といった症状があれば、自己判断せずに医療機関にかかることをおすすめします。
高齢者だけでなく、心臓に疾患を抱える人にとってもウイルス性疾患は大敵です。血圧や心拍数をアップさせるため心臓に大きな負担がかかることや、感染によって起こる炎症が心臓疾患の発症に関わっていると考えられています。インフルエンザは心臓発作の誘発率を倍増させるというデータがあることも、以前お話ししました。
■脱水が危ない
ノロウイルスは激しい下痢や嘔吐が何日も続きます。そのため、特に脱水症状に注意する必要があります。心臓は脱水にめっぽう弱く、弱っている心臓ほど、体内の水分が不足すると血液を送り出す力が低下します。血液の粘度が上がって流れにくくなるため、ポンプである心臓はそれだけ大きな力が必要になり、負担が増大するのです。