「白髪」が告げる 老化しそうな臓器となりやすい病気
■全身の病気に関わっている可能性も
ならば、白髪は、身体のあちこちに存在する色素細胞の減少や機能低下を意味するのか?
「ハッキリとは証明されていませんが、可能性はゼロではありません。少なくとも、色素細胞の病気が身体全体の病気に関わる場合があります。たとえばダーウィンはその著書『種の起源』の中で目の虹彩の色が左右違う猫が難聴を伴うと記述しています。ヒトでは、1951年にオランダ人医師のワーデンベルグが目の虹彩・皮膚の色素異常症と難聴を伴うワーデンベルグ症候群を報告しています」(青木氏)
フォークト・小柳・原田病(以下原田病)は、突然両目に網膜剥離が生じて見えにくくなる病気だ。目の病気だと思われがちだが、同時に髄膜炎、難聴を生じ、その後に皮膚の白斑、白髪、脱毛などが生じる。日本神経眼科学会理事で、「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長が言う。
「この病気は色素細胞に対する自己免疫疾患だといわれています。原田病では色素細胞を標的として病気が起きることから、メラニン色素が多い組織、つまり目、耳、髄膜、皮膚、毛髪などで炎症が起きるのです」