期待の新薬も登場! 今年の「インフルエンザ」傾向と対策
つまり、10月から始まるワクチン接種前にインフルエンザらしいインフルエンザが散発的に流行しているということだ。その理由はハッキリしないが、海外旅行者の急増と無関係ではなさそうだ。
訪日外国人数は2013年に初めて1000万人を突破して以来増え続け、2017年にはおよそ2900万人まで到達。政府は2020年における訪日外国人の計画目標を4000万人とする一方で日本人の昨年の海外旅行者数は1789万人。日本のグローバル化が一段と進んでいる。
「日本ではインフルエンザは冬の季節病ですが、南半球では日本の7~8月が最も寒い冬。この時期がインフルエンザ流行のピークです。シンガポールなどの赤道直下の国は南半球の影響を受ける5~8月と北半球からの影響を受ける12~3月に流行のピークを迎えます。つまり、こういうエリアから続々と入ってくる、あるいは戻ってくる人が増えている日本では、インフルエンザは夏休み明けの9月を含め一年中流行する感染症になりつつあるのかもしれません」
インフルエンザは一度感染すると免疫反応による抗体ができて、その後1年程度は同じ型のインフルエンザは発症しなくなる。インフルエンザワクチンはこの免疫の性質を利用し、ウイルスから取り出して作られた不活化ワクチンにより、インフルエンザに感染しづらくなるというものだ。