心蘇生後の脳機能障害が軽くなる「水素ガス吸入療法」
現在進められている大規模臨床研究では、体温管理療法を併用して全国18施設以上で、3年間をメドに水素ガスと偽ガスを吸わせた360例の比較試験が行われている。
「水素ガスの効能は、私たちの動物実験の研究で『炎症の抑制』や『血行動向の安定化』なども認められています。臨床研究の結果次第では、救急医療の現場でさらに患者さんの生存率を上げるさまざまな治療への応用が期待できます」
秘められた“水素の力”に注目していきたい。
▽1992年慶応義塾大学医学部卒。同大医学部内科学を経て、00年米国・ベイラー医科大学循環器内科に留学。05年慶応義塾大学医学部循環器内科、13年から現職。17年水素ガス治療開発センター長を兼任。〈所属学会〉日本循環器学会、日本心臓病学会、日本再生医療学会など。