ノーベル賞で注目オプジーボ “ターゲット”は進行肺がんか
■全身の転移が消えて3年生存も
当初、皮膚がんの一種、悪性黒色腫で適応され、その後、いろいろながんに拡大されています。しかし、その多くに「切除不能な」「再発」「化学療法後に増悪した」といった限定する条件がつけられているのも事実。がんの種類としては、皮膚がん、肺がん、腎がん、頭頚部がんなど幅広く使えるものの、現状は進行がんの人に限られています。
それぞれのがんで適応かどうかは、遺伝子検査で見分けますが、オプジーボの適応の方にきちんと投与すると、その効果はこれまでの抗がん剤を上回るものがあります。その点で注目しているのが、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の方への投与です。
非小細胞肺がんは、肺がんのうち85%を占め、最近は脳転移との関係でも注目されています。がん患者のうち10人に1人は脳転移になりますが、50%は肺がん由来。つまり、オプジーボに代表される免疫チェックポイント阻害薬が効果を発揮すると、脳の機能を守ることができる可能性があるのです。