<1>ヌードを撮る できあがりを妻はとても喜んでくれた
「乳がん発症から1年が経つか経たないかぐらいでした。素直な感じで『それいいね』という返答でした。今の時代は部分摘出が可能ですが、それでも乳房の形が変わってしまうことに変わりはない。これは直接、本人に聞いたわけではありませんが、女として生まれたからには……という気持ちもあると思った。こう言っては何ですが、妻はスタイルも悪い方ではなかったし、僕と一緒にお風呂に入る女性でしたから、裸になることもいとわないだろうと」
懇意のカメラマンT氏に2人で撮影を頼みに行くと、当然ながら奇妙な申し出に戸惑っていた。
「『実は乳がんで……』と事情を説明すると、『そういうことなら全面的に協力しよう』と快諾してくれ、率先してロケ地まで探してくれました。当初はスタジオ撮りも候補に挙がっていたと思いますが、『いいや、そうじゃない。海で撮ろう』となって6月の早朝に三浦海岸で撮影したのです。人が来ちゃうとやはりマズいので、撮影時間は1時間もなかった。朝日に向かって美しく立つ姿を今も思い出します」
出来上がった写真を見て佳江さんの反応はどうだったのか。