三遊亭小円朝さん49歳で…働き盛りが肺炎で命を落とす持病
呼吸器系の病気も、肺炎をこじらせやすい。
「たばこの影響で、肺気腫や慢性気管支炎(総称してCOPD)を起こすと、持続的な炎症で免疫力が低下します。ぜんそくというと小児の病気と思われるかもしれませんが、成人気管支ぜんそくも珍しくなく、40歳で発症するケースもある。そうすると、やっぱり慢性的な炎症が生じるのでよくありません」
■死亡者は97%が65歳以上だが…
数は少ないが、結核やHIVなども、若い人に肺炎死を招く代表的な病気だという。
肺炎は、すべての年齢層を含めた死因の第3位だが、その死亡者は97%が65歳以上で、64歳以下はわずか3%。
つまり、一般には高齢者の病気といえ、80代までは年齢が上がるにつれて死亡者が増える傾向がある。それでも、糖尿病をはじめありふれた病気があると、若くても肺炎で命を奪われかねないということである。では、そんな悲劇を免れるにはどうすればいいか。
「糖尿病やぜんそくなら治療をしっかり受けて、血糖値を適正の値にコントロールしたり、炎症を安定させたりすること。たばこを吸っている人は禁煙すること。それをしっかり守った上で、毎年インフルエンザが流行する前の10月ごろまでにワクチンを接種する。もうひとつは、肺炎球菌ワクチンです。65歳以上は定期接種の対象ですが、65歳未満でも糖尿病をはじめ持病によって接種が推奨されます。対象者は、5年ごとに再接種するのが無難です。健康なら、若い人が肺炎で命を落とすことはまれですが、持病がある人は用心に越したことはありません」
まだまだ男盛りの2人の死を無駄にしないためにも、このくらいのことは頭に入れておこう。