睡眠ホルモン「メラトニン」と「オレキシン」の役割とは

公開日: 更新日:

「メラトニンの分泌は小児のときの方が多く、性成熟を抑制する作用もあると考えられています。実際、松果体に腫瘍ができて分泌が低下した小児では、思春期が早発することが知られています。また、高齢になると眠りが浅くなるのは、加齢に伴って分泌量が減少するからです」

 もうひとつの睡眠に関係するホルモンが、1998年に日本人によって発見された「オレキシン」。脳の視床下部から分泌され、「眠り」から「覚醒(起きる)」へと切り替える働きをする。

「オレキ」とは「食欲」を意味するギリシャ語で、発見当初はマウス実験で食欲増進効果が注目されたが、その後の研究で覚醒を促すホルモンであることが分かっている。

「日中、突然睡眠に入ってしまう眠り発作を特徴とする『ナルコレプシー』という病気では、オレキシンがつくられなくなっていることが明らかにされています。治療薬として、オレキシン受容体を刺激する薬剤が開発されている最中です」

 睡眠薬では、すでにこの2つのホルモンをターゲットにした新しいタイプの薬がある。2010年に「メラトニン受容体作動薬」、14年に「オレキシン受容体拮抗薬」が登場し、どちらも従来の睡眠薬より副作用が少なく、自然に近い睡眠が得られるのが特徴という。

【連載】意外に知らないホルモンの実力

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」