【血管拡張ホルモン】ポンプ役の心臓は内分泌臓器でもある

公開日: 更新日:

 筋肉の塊の心臓は、単に血液を送り出すポンプの役割を果たしているだけでなく、立派な内分泌臓器でもある。それが分かったのが1984年。日本人研究者によって「ナトリウム利尿ペプチド」と呼ばれるホルモンが分泌されていることが発見された。東京都立多摩総合医療センター内分泌代謝内科の辻野元祥部長が言う。

「最初に、心房(心臓の上部の部屋)から分泌されている『心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)』が発見され、その後、心室(心臓の下部の部屋)からは『脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)』が分泌されていることが分かりました。激しい運動などをすると、心臓の血流量が増えます。そのようなときに、どちらのホルモンも血管を拡張させて血圧を下げ、心臓に負担がかかりすぎないように働くのです」

 心臓が弱ったときにもナトリウム利尿ペプチドの分泌が高まる。心臓が弱ると腎臓へ送る血液量が減り、尿も減る。すると、体に余分な水分や塩分がたまって血圧が上がる。そこでナトリウム利尿ペプチドが腎臓に働いて、水分(尿)や塩分の排泄を促すのだ。また、副腎にも作用して、体に塩分をため込むホルモン(アルドステロン)の分泌を抑制するという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」