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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

ヤフーの厚労大臣賞受賞で注目 がんの治療と仕事の両立

公開日: 更新日:

 社内には「健康相談窓口」があって、産業医・看護師に病気のことを相談できます。そうやって病院の主治医と産業医などが連携しながら、社員の部署に働きかけて治療と仕事の両立をサポートしているのは、素晴らしい取り組みです。担当者はスピーチで「弊社の取り組みをどんどん社外に発信してがん対策を啓発していきたい」と語っていました。

 大企業でなくても、がん対策は可能です。検診部門で表彰されたのは新潟の研冷工業で、社員数は30人。社長自らがん対策に積極的です。新聞などでがん対策の情報を知ると、朝礼で社員に伝えるだけでなく、社員共有のネット掲示板で掲示するとか。その取り組みが実を結んで、胃がん大腸がん肺がんの検診受診率は100%を達成しました。がん検診の受診率は5割ほどですから、画期的です。

 がんは生活習慣病の要素もあって、禁煙や節酒に努めて、適度な運動とバランスのいい食事を心掛ければ、発がんリスクは5~7割ほど抑えることができます。残りは、残念ながら運に左右されます。私も運動して、ノンスモーカーですから、膀胱がんになったのは運が悪かったとしかいえません。

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