頭痛の原因が頭でなければ…目、耳、鼻、歯にアリ
要注意の感染症である髄膜炎を生じると、経験したことのないような頭痛とともに、首の後ろが硬くなって、下を向きにくくなることも。処置が遅れると、命の危険があり、早期の髄液検査が欠かせません。
日常の診察で見逃せないのは、耳鼻科や歯科、眼科の病気との関係。耳鼻科での典型は、副鼻腔炎です。
副鼻腔は、頬から眉間の辺りにかけて左右に4対あって、そのどこかが感染して炎症を起こした状態です。それで、鼻水や鼻づまりのほか炎症の場所から頭痛を起こしやすいのです。顔の痛みや目の奥の痛みとして感じる方もいます。
風邪をこじらせて急性副鼻腔炎に。それが慢性化すると、鼻炎症状は続きますが、頭痛は比較的軽くなる傾向です。
虫歯や顎関節症など歯科領域の疾患も、頭痛との関連では侮れません。眼科では、眼精疲労で頭痛を生じるほか、要注意は眼圧急上昇による緑内障発作です。視力の低下や吐き気とともに前頭部の痛みを生じます。
片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛は一般的な検査では、なかなか異常を認めにくく、原因が分かりにくい。これらは「機能性頭痛」にくくられますが、片頭痛は血液検査でセロトニンを調べると、0・04~0・35μg/ミリリットルの基準値を超えることが診断の手掛かりになります。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)