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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

男女の病気のかかりやすさや寿命の違いは染色体の違いから?

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 ところで、男女の生物学的な違いは、煎じ詰めれば性染色体(X染色体とY染色体)の組み合わせの違いにすぎません。ご存じのとおり、XYなら男、XXなら女になるわけです。この違いが病気や寿命の男女差と深く関わっているのではないか、と考えるのは当然でしょう。しかし、過去数十年にわたる研究にもかかわらず、謎は深まるばかりです。もちろん、いくつかの遺伝病については、遺伝子レベルで性差が解明されています。しかし、もっと普通の病気に関しては、ほとんど分かっていないのです。

 顕微鏡で見ると、X染色体とY染色体では形が全く違うことがよく分かります。X染色体はその名のとおりX形(かなりゆがんでいますが)をしています。一方、Y染色体は、標本の出来にもよりますが、あまりY字っぽくは見えません。まあ、先人たちに敬意を払って、Y字形ということにしておきましょう。

 それよりも注目すべきは大きさです。Y染色体はX染色体の、たった3分の1しかないのです。

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