男女の病気のかかりやすさや寿命の違いは染色体の違いから?
ところで、男女の生物学的な違いは、煎じ詰めれば性染色体(X染色体とY染色体)の組み合わせの違いにすぎません。ご存じのとおり、XYなら男、XXなら女になるわけです。この違いが病気や寿命の男女差と深く関わっているのではないか、と考えるのは当然でしょう。しかし、過去数十年にわたる研究にもかかわらず、謎は深まるばかりです。もちろん、いくつかの遺伝病については、遺伝子レベルで性差が解明されています。しかし、もっと普通の病気に関しては、ほとんど分かっていないのです。
顕微鏡で見ると、X染色体とY染色体では形が全く違うことがよく分かります。X染色体はその名のとおりX形(かなりゆがんでいますが)をしています。一方、Y染色体は、標本の出来にもよりますが、あまりY字っぽくは見えません。まあ、先人たちに敬意を払って、Y字形ということにしておきましょう。
それよりも注目すべきは大きさです。Y染色体はX染色体の、たった3分の1しかないのです。