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牧田善二糖尿病専門医・AGE牧田クリニック院長

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

「食の起源」が語る ヒトが糖質を抑えて肉を食べるべき理由

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 また、ホモ・エレクトスはアウストラロピテクスの脳より3割以上大きく、中身も発達していたことがわかっています。「脳の大型化」の理由は動物の肉に豊富に含まれる長鎖脂肪酸によるものだともいわれています。

 そして人間には他の動物と違い高度の脳の割に体が小さいという特徴があります。食肉により植物の摂取量が減ったことで、食物を消化する大きな消化器官は必要なくなったためだともいわれています。一説には、人類の消化器官は他の霊長類の6割程度まで縮小したそうです。もちろん、植物の摂取量が減ればそれをすりつぶすための頑丈な顎や大きな歯は必要ありませんからいずれも小さくなったのです。

 最初の現生人類と考えられているネアンデルタール人とその後継のクロマニョン人は狩人で、クロマニョン人は総カロリーの3分の2は動物性食物から得ていて、「当時はトップレベルの肉食獣」だったと表現する学者もいるほどです。

 興味深いのは狩猟で生活していた時代の人骨は、長身で体が頑丈で比較的病気が少なかったとされますが、農耕が始まると身長が10センチほど縮まり、病気もみられるようになり近代に向けて縮む一方だったという点です。

 農耕で得た穀物の安定供給による利点も多いのですが、肉食が人類をその姿形を含めて変えていったことは知っておいた方がいいでしょう。

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