著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

寿命が短くなる可能性も…ビタミン剤の飲み過ぎは危険?

公開日: 更新日:

健康のためにビタミン剤を飲んでいる」という人は多いと思います。ビタミンは体で作ることができない栄養素のことで、不足すると体の機能に問題が起こることは確かです。

 たとえば、ビタミンB1が高度に欠乏すると、体がだるくなって心臓の機能などが低下する脚気(かっけ)という病気になります。

 同じビタミンB群のB12は、神経の健康な働きのために必要なビタミンで、こちらも足りなくなると、認知症のような症状が出たり、手足がしびれたり、貧血になったりと、多くの症状や病気の原因となります。しかし、これは高度に欠乏した場合の話です。

 ビタミン剤の使用量は、結構大ざっぱに決められていることが多く、ビタミンB12は体の必要な量よりはるかに多い用量が、市販のサプリメントにも入っています。

 それでは、ビタミン剤を飲み過ぎることで健康上の問題はないのでしょうか? ちょっと気になる結果が、米国医師会雑誌の姉妹誌に掲載されていました。オランダでビタミンB12の血液濃度と、寿命や病気との関係を見たところ、ビタミンの血液濃度が高いほど、寿命が短いという関係が認められたのです。

 肝臓や腎臓などの内臓機能が低下すると、血液のビタミンB12濃度が増加するという関係があるので、ビタミンそのものが悪いとは言い切れませんが、ビタミン剤は不足していなければ問題ない、というくらいに考えた方がよさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」