著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

家族にうつすと大変だから車中で寝る…医療者の疲弊が心配

公開日: 更新日:

 そういう医療者はたくさんいます。肉体と精神の疲弊が続き、ふとした隙にコロナが入り込むのが心配です。

■抗がん剤点滴をホルモン治療に変えた病院も

 このような時期にがんと診断された方はどうすればいいのでしょうか。日本臨床腫瘍学会は「がん診療と新型コロナウイルス感染症:がん患者さん向けQ&A」(2020年4月20日更新)を公表しています。

 がんの治療薬の多くは外来で投与されています。抗がん剤の点滴はいつもより増して患者の状態に注意が払われます。ある病院では、乳がんの抗がん剤点滴を内服のホルモン治療に変えたそうです。

 国は、検査の大変さや医療崩壊を起こすといったことを理由にして、PCR検査の実施を世界の中で最も少なくしました。しかし20日、全国医学部長病院長会議で、院内感染を防ぐ水際対策として「すべての入院患者に対し、手術などの前にPCR検査を公費でできるようにしてほしい」と国に要望しました。


 私たちは今、ウイルスと闘う、感染した患者を診る医療者を称えながら、治療薬やワクチンの開発を待っています。国の対応にイライラしながらも、うつらないように人から離れて、見えないウイルスから逃げて暮らしています。しかし、医療者をはじめ介護サービスなど、人から離れられない方たちはたくさんいらっしゃいます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に