長嶋茂雄さんも心房細動による脳梗塞 予防に新たな選択肢
そうならないために、治療で行われるのが、血液をサラサラにする抗凝固薬(ワーファリンなど)の服用だ。しかし、「血液が固まりにくくなる」という薬の特性から、問題点もあった。
「年間3%で大出血を起こし、4分の1程度の人が薬を飲み続けられなくなるのです。70歳くらいまでは多少リスクがあっても抗凝固薬を飲めても、80歳を超えると腎臓が悪くなって出血リスクが高くなり、転倒しやすく大出血のリスクが高くなります」
現在91歳の男性は心房細動で抗凝固薬を飲んでいたが、ひどい貧血を繰り返し起こし、毎月のように入院。このまま貧血が続けば命にかかわる危険がある。かといって、過去に脳梗塞を起こしているので、抗凝固薬を飲まないと再び脳梗塞を起こすリスクが高く、やはり命にかかわる危険がある。抗凝固薬をやめるか、続けるか。本人も家族も、まさに「死の選択」に頭を悩ませていた。
そんな時に承認されたのが冒頭で触れた治療の新たな選択肢。WATCHMAN(「ウォッチマン」)というデバイスを用いた左心耳閉鎖治療だ。