過去のつらい出来事を書くだけで血圧低下「感情日記」の効果

公開日: 更新日:

「最初は半信半疑でした」

 最上氏が、過去の出来事や、その時感じたつらい思いなどについて書く「感情筆記」の効果を耳にしたのは、2010年代前半、英ロンドン大学での研究員時代だ。心理医学の世界的権威、ジョン・ワインマン教授から「外科手術を受ける患者が術前に1回15分の感情筆記を3日間行っただけで、術後の傷口の回復スピードが変わる」という研究成果を聞き、非常に驚いた。

 調べてみると、諸外国で膨大な数の筆記研究が行われており、信頼性が高いランダム化比較試験が用いられているものも多数あった。自身の臨床で試したのは日本に帰国後。大動脈解離で一命をとりとめた50代男性に1日15分、ライティングをしてもらった。

「男性の血圧は収縮期(上)170超という危険な範囲で、専門医が薬を調整しても下がりませんでした。ところが薬は変わってないのに感情筆記を始めて3週間後には100台前半まで正常化。筆記の効果は本物と確信し、気軽に筆記が可能な日記の体裁で行う感情日記として患者さんに勧めるようになりました」

■「自分自身のために書く」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末