顎<下>セルフケアで改善 顎関節症を治す3つのリハビリ法
「口を大きく開けられない」「顎の周りが痛い」「口を開けると顎が鳴る」といった症状が表れる「顎関節症」。さまざまな要因(寄与因子)が積み重なり、顎関節や顎の周りの筋肉が耐えられる負担を超えたときに発症する。
寄与因子には「精神的なストレスや不安」「関節や筋肉の弱さ」「睡眠中の歯ぎしり」などがあるが、最も大きく関わっているのが「TCH」と呼ばれる上下の歯を接触させ続ける習慣(クセ)だ。
普通は上下の歯が接触する時間は「食べる」「話す」といったときの瞬間的なもので、1日のうち合計しても20分程度とされる。それがパソコン作業やスマホ操作などに集中していると、無意識に上下の歯が接触してしまいやすくなる。繰り返していると、脳がこの状態が正常だと認識してしまい、常習化するのだ。
上下の歯を軽く接触させる小さな力でも、長時間にわたって力がかかり続けると、顎の関節や筋肉の血流を悪化させてしまう。顎関節症の人の約8割はTCHを抱えているとされる。
「佐藤歯科医院今戸クリニック」(東京都台東区)で顎関節症外来を担当する木野孔司歯科医師(木野顎関節研究所所長)が言う。