顎<下>セルフケアで改善 顎関節症を治す3つのリハビリ法
「これまで歯科医は虫歯などの痛みを取ることと闘ってきました。ですから口を開くと痛いのなら『安静にしてください』『軟らかい食べ物を食べるように』と指導していたので、いつまでたっても顎関節症が治らない人が増えたのです。リハビリトレーニングは、整形外科の五十肩の運動療法と同じで、痛みをこらえるトレーニングです。『ちょっとつらい』と感じる程度までやることが効果を高める秘訣です」
その人の症状に合わせて、いくつかやり方があるので紹介してもらう。
【口が開きにくいときに行う――関節可動化訓練・筋伸展訓練】
「準備運動」として、痛みが出ない範囲で口を開けたり、閉じたりを10回繰り返す(上下の歯は接触させない)。
初めに、下顎の前歯に利き手の人さし指から薬指までの3本の指をかけ、ゆっくり口を開くように下顎を押し下げる。痛みを少し感じるまで開いた状態で10秒間維持する。
次に、利き手で下顎を押し下げると同時に、反対側の手の親指を上顎の前歯に当てて開口させ、10秒間の維持から始め、5秒ずつ持続時間を延ばしていく。この行程を3回繰り返して1セットとし、毎食後と入浴後に1セットずつ、1日4セットを行う。