レモン汁が塩分少なめの物足りなさカバー…減塩で血圧低下
冬は血圧が高くなる季節だ。寒さで血圧を調整する交感神経が刺激されて血管が収縮することがひとつ。4度の水中に手首まで漬けると、血圧が平均10~20ミリ上昇するともいわれている。もともと高血圧の人は、ちょっと上がっただけでも体へ与えるダメージが大きくなるリスクがある。
もうひとつの理由は、鍋物など塩分の多い食事が増えたり、運動不足で体重が増えやすい季節だから。それが血圧を上昇させる。今年はコロナ禍で回数が減るだろうが、年末年始でごちそうを食べる機会が増えると、塩分の過剰摂取につながりやすい。ちなみに、おせち料理は保存性を高めるため、塩分、糖分ともに多めだ。
2015年に米国で実施された「SPRINT研究」では、高血圧患者9361人を2群に分け、一方は降圧目標を「上の血圧120未満」とし、もう一方は「上の血圧140未満」とした。3年間の追跡調査の結果、「120未満」は「140未満」より心筋梗塞・脳卒中の発症率が約25%、全死亡率は約27%低かった。
この研究結果から読み取れるのは、「年齢に限らず、血圧は低いほどいい」ということ。高齢者は血圧を下げ過ぎない方がいいという考え方も以前はあったが、それが否定されたのだ。