性器や喉だけじゃない 目にうつる性感染症は誤診も多い
性感染症の感染部位は、何も性器だけではありません。よく知られるのは、オーラルセックス(口腔性交)によって、特に女性の咽頭に感染するケースです。喉に感染しても発赤や腫れなど自覚症状がほとんどないので、そこが感染源となって男性パートナーに次から次へと広げてしまうことがあるのです。
感染部位はそれだけではありません。見落とされやすいのは、「クラミジア」や「淋病」といった性感染症が「目」に感染することです。性器や咽頭はバリアー(皮膚)のない粘膜ですので、同じように目の粘膜から感染するのです。
どのように感染するかといえば、感染者の性器からの分泌物が手指に付いて、洗わず目をこすったりすると感染します。また、AVのプレーで見られる女性の顔に射精する「顔シャ」も感染リスクがあります。
クラミジアや淋菌が目に感染すると「結膜炎」を発症し、「充血」「目ヤニ」「まぶたの腫れ」などの症状が表れます。ただし、クラミジアの場合は、男性の約50%、女性の約70~80%は性器の症状(尿道炎や子宮頚管炎)が出ません。そのため、眼科を受診してもパンツの中まで調べませんから、アデノウイルスによる「流行性角結膜炎(はやり目)」と診断されてしまうことが多くあります。