性器や喉だけじゃない 目にうつる性感染症は誤診も多い
淋病が性器に感染した場合は、男性の約95%は強い尿道炎の症状が表れます。女性の場合は、クラミジアと同じで約20~30%しか子宮頚管炎の症状が表れません。
また、結膜炎の原因が本当に「はやり目」だったとしても、性感染症と無関係というわけではありません。それは近年、尿道炎の数%はアデノウイルスに起因することが分かってきたからです。性的接触で感染することも報告されています。尿道炎と結膜炎を同時期に発症することは少なく、多くは尿道炎が先行するようです。このように「はやり目」の一部は性感染症由来の可能性が高いのです。
それと「梅毒」も、「結膜炎」「角膜炎」「強膜炎」「網膜炎」「視神経炎」などの多彩な眼症状が出ることが知られています。これは目から感染した症状ではなく、性交で感染した梅毒トレポネーマという病原菌が体内で血流に乗って引き起こす症状です。
梅毒は感染後約3週間(第Ⅰ期)に陰部などにシコリができます。
眼症状が出るのは感染後3カ月以上経過した「第Ⅱ期」以降です。通常は両目に発症し、放置すると失明する場合もあります。
結膜炎になったら性感染症も疑い、性感染症を発症したら結膜炎に注意しましょう。