ワクチンの起源はいつ? 撲滅されたウイルスはあるのか
【Q】ワクチンによって撲滅されたウイルスはあるのか?
【A】「最も有名なのがこの天然痘です。日本でも江戸時代に多くの武将が感染したという記録が残っていますが、ジェンナーのワクチンによって世界中から消失しました。WHOは1980年に『地球上から天然痘を撲滅させた』と宣言しています。次にポリオが現在、東南アジアの一部を除いて終結しています。ポリオは小児麻痺ともいわれ、流行性脳脊髄膜炎などを起こします。しかし80年代に、ホルマリン処理した不活化ワクチンを改良した『強化型不活化ワクチン』の開発によって、2回接種で95%、3回でほぼ100%という高い防御率の免疫を獲得し、抗体も長期間持つことが分かっています。88年には世界で年間35万の症例が発生していましたが、2015年には70例まで減少しました」
歴史上3度、大流行を起こした「ペスト」(黒死病)は、1894年に北里柴三郎らがペスト菌を発見し、ノミを媒介しネズミからヒトに病原菌が感染することが判明。流行を終息させることに成功した。